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せん妄って何?
https://www.seikaisha.blue/articles/article3959/
せん妄は,急性に生じる注意障害を主体とした精神神経症状の総称である。せん妄は,がん患者において最も高頻度に認められる精神神経症状であり,治療の初期段階から終末期まで,あらゆる時期に出現する。せん妄には,注意障害を中心に,不眠や昼夜逆転などの睡眠覚醒リズムの障害,感情の変動,精神運..
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せん妄はこう現れる
https://www.seikaisha.blue/articles/article3963/
せん妄は軽度から中等度の意識混濁と意識変容を併せ持つ病態である。特に高齢者や入院患者に起こりやすく,治療薬によりせん妄が誘発されることもある。がん患者がせん妄を呈することはまれではなく,全身状態の悪化に伴いせん妄の出現頻度は増加する。しかし,病像が多彩で一般化されにくいことから,..
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せん妄のハイリスクと発症の予防法
https://www.seikaisha.blue/articles/article3966/
がんに限らず,さまざまな疾患をもつ患者には,身体症状だけでなく,精神神経症状が時に出現する。せん妄は,その精神神経症状の1つである。軽度から中等度の意識混濁による注意障害や,睡眠覚醒リズムの障害(不眠や昼夜逆転),感情の変動,精神運動興奮,幻視や錯視などの知覚障害,妄想など,多彩..
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現場におけるせん妄の予防と早期発見・早期対応への取り組み─教育的介入とシステムの導入と構築
https://www.seikaisha.blue/articles/article3969/
先行研究では,看護師を対象にせん妄予防のガイドラインを使用した教育的介入をしたところ,根拠のあるせん妄予防ケアの積極的実践ができ,医師へのせん妄の可能性を進言する意識の向上などがみられている。さらに同研究では,せん妄予防ケアは教育的介入だけでなく,組織的な戦略が必要と報告されてい..
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せん妄に対する抗精神病薬(1)
せん妄に対する抗精神病薬の使い分けhttps://www.seikaisha.blue/articles/article3972/
緩和ケアにおいて,せん妄は切っても切り離せない病態であり,患者本人,家族,医療者の皆が苦しむものである。そのようななか,せん妄に対する適切なマネージメントは,現場の苦しみを和らげるために重要である。せん妄は,まず原因を探り,その原因に対処する(脱水があれば補液する,感染症があれば..
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せん妄に対する抗精神病薬(2)
抗精神病薬のこわい側面─高齢者への抗精神病薬使用に対する注意喚起からhttps://www.seikaisha.blue/articles/article3975/
普段の臨床現場において,抗精神病薬はせん妄に対する治療として中心的な役割を担っているのが現状である。また,一部のガイドラインにおいても,せん妄の原因(直接因子)除去や補正可能な誘発因子の補正とともに,せん妄に対して抗精神病薬を使用することを推奨されている。しかしながら, 近年, ..
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せん妄治療薬の頓用の工夫(1)
頓用指示を“出す際に”気をつけることhttps://www.seikaisha.blue/articles/article3979/
不眠・不穏時 アタラックスPⓇ(ヒドロキシジン)1A筋注・セレネースⓇ(ハロペリドール)1A・リスパダールⓇ(リスペリドン)1包 これらはせん妄では非常に曖昧な指示で,不都合なことが少なくない。頓用指示は,適切な状況で適切な薬剤が求められる一方で,使用の最終判断は看護師が行うため..
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せん妄治療薬の頓用の工夫(2)
頓用指示を“実行する際に”気をつけることhttps://www.seikaisha.blue/articles/article3984/
夜勤に出勤し,「○○さん,不穏です」と申し送りを受けたら,正直よい気持ちはしないのではないだろうか。せん妄が悪化する夜間は,看護師の人数は少ないが,患者の容態が変わりやすかったり,不安な気持ちを語りだす患者が現れたりして,時間にも心にも余裕がないことがある。時間や仕事量によるプレ..
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何をしても収まらない興奮にできる工夫
https://www.seikaisha.blue/articles/article3989/
1週間を超えてせん妄が遷延した患者群(1,121例)は,1週間以内にせん妄が収束した群(1,332例)に比べて,低活動型せん妄の割合が有意に大きく(10%対5%,p
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低活動型せん妄への対応
https://www.seikaisha.blue/articles/article3992/
せん妄は意識障害が中核症状であり,脳機能および行動面において様々な影響が現れる。身体治療の現場において高い頻度で認められ,医療者のほとんどが遭遇する病態であるにもかかわらず,見過ごされていたり,発見が遅れることがしばしば起こる。なかでも低活動型せん妄は,過活動型せん妄に比べて活発..
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コミュニケーション─せん妄患者と家族への対応
https://www.seikaisha.blue/articles/article3995/
せん妄は,終末期には患者の30~40%に認められ,死亡直前においては約90%がせん妄の状態にあると考えられ,頻度が多い症状であり,看護師が対応に苦慮することも多い。医療者や家族が感じた,何かいつもと違って,おかしいという違和感をそのままにせず,アセスメントし,アセスメントに応じた..
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普通の亡くなり方に近づけるためです
https://www.seikaisha.blue/articles/article4195/
あらゆる苦痛緩和の方法をもってしても,苦痛が緩和されないがん患者は確かにいる。治療困難な苦痛に鎮静が許容されるには,その目的が苦痛緩和を目的としていること,多職種のチーム内であらゆるケア,治療がなされていることを確認し合うこと(相応性),また鎮静のほかに治療の方法がないこと,また..
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鎮静開始後の評価─鎮静が適切に行われているかをどのように評価するべきだろうか?
https://www.seikaisha.blue/articles/article3784/
苦痛緩和のための鎮静(palliative sedation:PS)にあたり,患者の安楽を保ちつつ,せん妄,不穏,誤嚥などの有害事象を避けて,過不足なく行なうことが求められる。そのためにはPSが適切に行われているかの評価が重要である。 しかし,PS開始後の効果や有害事象のモニタリ..
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在宅での鎮静は行われるべきか・行われないべきか?
https://www.seikaisha.blue/articles/article3790/
適切に緩和ケアが提供されても,なお緩和できない苦痛に,緩和的鎮静(palliative sedation)(以下,鎮静) が世界的に行われている。また,患者の多くは家で最期まで過ごしたいと考えており,緩和ケアの提供される場が,ホスピス,一般病院から在宅に拡がりつつある。鎮静が実施..
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FAST FACT
便秘https://www.seikaisha.blue/articles/article3810/
進行性疾患患者における便秘の合併頻度は,20~70%程度,オピオイド使用中の患者では,45~90%でオピオイド誘発性便秘(OIC)を合併すると報告されており,頻度が高い症状の1つである。また,腹痛・排便時痛や吐き気・食欲不振などの症状につながったり,せん妄の誘発因子となる場合もあ..
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FAST FACT
「死にたい」と言われた時の対応https://www.seikaisha.blue/articles/article3870/
希死念慮は進行・終末期がん患者の10~20%にみられる。「死にたい」と患者が訴えた場合には他の症状のつらさ,うつ病,せん妄,実存的問題などが背景にある可能性がある。
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緩和ケア口伝ー現場で広がるコツと御法度
腹部膨満感にジアゼパムを使ってみるhttps://www.seikaisha.blue/articles/article3878/
● 悪性腹水や腹部膨満感の緩和は難渋することが多い。 ● 頻回な腹腔穿刺を要する事例などで,利尿剤やオピオイドの効果も限定的な場合,筋弛緩作用をもつジアゼパムを使用してみる。 ● ジアゼパムによる緩和効果と,眠気やせん妄などの副作用を総合的に判断する必要がある。
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せん妄を併発した時に抗精神病薬は使用するか?
https://www.seikaisha.blue/articles/article3704/
メサドンを使用する際にQT 延長が起こる可能性があることと,それが薬剤の併用による薬物相互作用により引き起こされることに関しては,メサドンのe-learningを受けられた医療関係者であれば容易に思い起こされる事案であろう。それが故に,使用を躊躇するということも充分に考えられ,ケ..
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緩和ケア口伝ー現場で広がるコツと御法度
緩和ケアの不眠,せん妄対策!─トラゾドンを中心にhttps://www.seikaisha.blue/articles/article5254/
● 緩和ケアにおいて不眠・せん妄は介入するべき精神症状である。 ● せん妄に対しては抗精神病薬が使用されるが,効果を十分に検証した研究は少ない。 ●トラゾドンは効果・副作用の面において,これらの症状の緩和に有用な薬剤である。
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落としてはいけないKey Article 15
終末期せん妄に抗精神病薬は無効で,生命予後も短くする?https://www.seikaisha.blue/articles/article5351/
森田 達也 聖隷三方原病院 緩和支持治療科 【今月のKey Article】 Agar MR, Lawlor PG, Quinn S:Efficacy of Oral Risperidone, Haloperidol, or Placebo for Symptoms of Del..