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サイコオンコロジー最前線③
配偶者をがんで亡くした遺族の精神医学的障害https://www.seikaisha.blue/articles/article1538/
国立がんセンター東病院において死亡したがん患者の配偶者を対象に,精神健康調査票(GHQ28),終末期ケアへの不満などの項目を含む調査票を用いた郵送調査を2009年に実施した。死別後7カ月から7 年までの821名の配偶者から回答を得た。
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特別収録
緩和ケアとがん治療の協働に向けて―これからの時代へのメッセージ②https://www.seikaisha.blue/articles/article1540/
本特別収録の第1 回では,志真泰夫氏が,柏木哲夫氏にお話を伺い,ホスピス・緩和ケアを担ってきた医師(以下,緩和ケア医)と,がん治療を担ってきた医師(以下,がん治療医)が互いを理解する必要があり,共通の基盤に立ってどういう協力ができるのかを考える時代に入ってきたこと,またお互いの..
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画像で理解する患者さんのつらさ〈7〉
かゆくて かゆくて たまりません!https://www.seikaisha.blue/articles/article1542/
緩和ケア科医師:先ほど病棟から依頼があった患者さんについて,説明してください。 緩和ケア科研修医:A さん,60 歳代,男性です。全身掻そう痒よう感で,昨日急患受診され,緊急入院になりました。 緩和ケアチーム薬剤師:えっ,かゆみがひどくて,入院ですか? 緩和ケア科研修医:いいえ,..
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わたしのちょっといい話
天国から届いたお礼https://www.seikaisha.blue/articles/article1546/
私にとって,糖尿病で私の勤務する診療所に通う農家のヨシヒデさんの奥さん,という認識でしかなかったセツコさんが,ある出来事をきっかけに大きな存在に変わりました。それは,ヨシヒデさんの糖尿病が急激に悪化して精密検査を行ったところ,胃がん,多発肝転移の末期であることが分かり,訪問診療..
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ほっこり笑顔!季節のおやつ〈1〉
紫陽花ゼリーhttps://www.seikaisha.blue/articles/article1548/
6 月は,紫陽花を模したゼリーを提供しています。ボランティアさんが作った紫陽花の飾りのついたコースターにお茶を乗せて,ゼリーと一緒にサイドテーブルに乗せると,殺風景だった机の上が一遍に華やぎます。 たくさん食べられない方も目で楽しんでいただけるよう,寒天を崩さないように盛りつ..
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海外事情
ハワイ小児緩和ケア事情https://www.seikaisha.blue/articles/article1550/
終末期において,患者と家族が残された時間をどのように過ごすかについて考えるためには,患者への予後告知が必要になる。しかし,筆者の勤務する病院では,年齢にかかわらず,治療が困難で予後不良であるとか,余命が限られることを知らされている患者は多くはないのが実情である。患者が子どもの場..
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原著
終末期がん患者が「明るさを失わずに過ごす」ための医療者の支援のあり方 緩和ケア病棟の医師・看護師を対象としたエキスパート・インタビュー調査https://www.seikaisha.blue/articles/article1555/
Miyashitaらは,望ましい死の概念化に引き続き,がん診療連携拠点病院56 施設の一般病棟,緩和ケア病棟100 施設,在宅ケア施設14施設で死亡したがん患者の遺族それぞれ2,560名,5,311名,292名を対象に,終末期がん患者の望ましい 死の達成を評価する調査を行った。..
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臨床で役立つ サイコオンコロジーの最新エビデンス
抑うつに対する薬物療法と協働ケアモデルhttps://www.seikaisha.blue/articles/article1514/
がん患者において,抑うつは頻度が高く,かつさまざまな悪影響をもたらすため,適切な対応を要する。 本稿では,まずがん患者における抑うつに対する最新のエビデンスに基づいた薬物療法の実際を紹介する。また,近年,協働ケアモデルががん患者の抑うつマネジメントに有用であるとの報告が相次い..
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臨床で役立つ サイコオンコロジーの最新エビデンス
せん妄の予防―エビデンスに基づいた薬物療法と非薬物療法―https://www.seikaisha.blue/articles/article1516/
最新のエビデンス せん妄の予防に関する取り組みは,大きく, ①せん妄への薬物を用いた介入:1)発症予防,2)重症化予防 ②せん妄への薬物以外の介入:1)発症予防,2)重症化予防 に整理をすると考えやすい。
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サイコオンコロジー最前線①
がん患者の自殺に関する最新データhttps://www.seikaisha.blue/articles/article1518/
1991年~2006年に,スウェーデンの一般住民600万人以上を対象として行われたコホート研究では,がん診断からの期間と,自殺の関係を詳細に報告している1)。その結果,図1に示したように,がん診断直後の1 週間以内の時期に,自殺の危険率が最も高く,危険率は時期とともに減少していく..
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サイコオンコロジストはこうしている①
希死念慮を有する患者のアセスメントとケアhttps://www.seikaisha.blue/articles/article1520/
がん患者,特に進行がん患者が,医療の現場で「死にたい」「死んでしまいたい」と話すことは決してまれではない。実際,先行研究においても緩和ケア病棟入院中の終末期がん患者の約20%に希死念慮が認められることが報告されている1)。 筆者もがん医療に従事する精神腫瘍医として,希死念慮を..
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サイコオンコロジストはこうしている②
怒りへの対応のポイントhttps://www.seikaisha.blue/articles/article1524/
怒りは,不公平感や失望感を相手に伝えるコミュニケーションである。コミュニケーションは,本来双方向的な情報交換だが,怒りは強く表現されて一方向的な情報伝達になることもある。それは,相手に自分の経験を理解してもらいたいという強い気持ちの表れともいえる。怒りを向けられた医療者側のコミ..
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サイコオンコロジストはこうしている③
緩和ケアにおけるアカシジアのアセスメントと治療https://www.seikaisha.blue/articles/article1528/
1. アカシジアを疑うさまざまな訴え 「足がむずむずしてじっとしていられない」「座っていられない」などと患者が訴えた場合,緩和ケアに関わっている医療従事者のほとんどは,アカシジア(静座不能症)だと判断するだろう。しかし,「眠れない」「気持ちが落ち着かない」「いてもたってもい..
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らしんばん
がんサバイバーという臨床活動https://www.seikaisha.blue/articles/article1471/
還暦を越えて,「自分も臨床に戻ろう,往診訪問を中心にした地域ケアをやろう」と,大学を早期退職した矢先であった。すい臓がんステージⅣb と診断された。まったく晴天の霹靂というしかない。「臨床」に戻ろうとしたら,その中心である「患者」になったわけである。 遅れに遅れていたわが国の..
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ほっこり笑顔!季節のおやつ
牛乳かんhttps://www.seikaisha.blue/articles/article1500/
7 月は,目で夏を感じていただく事をテーマにおやつを提供しました。 夏祭りの「金魚すくい」をイメージして,牛乳かんの上に金魚の型で抜いた寒天をあしらいました。 金魚に見えるか心配でしたが,患者さんの声にひと安心です。
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画像で理解する患者さんのつらさ
ママもうがんばれないみたいなの,ごめんねhttps://www.seikaisha.blue/articles/article1502/
病棟看護師:A さん,40 歳代,左乳がん,術前化学療法,左乳房切除後です。一昨日,急に発症した激しい頭痛,めまいの精査加療目的で入院しました。 緩和ケア医:先月手術をして退院したばかりですよね。 乳腺外科医:自宅で激しい頭痛とめまいが起きて,救急受診しました。血圧上昇も認めてお..
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短報
都道府県がん診療連携拠点病院における地域医療者支援・在宅療養支援を重視した緩和ケア病床設立の意義https://www.seikaisha.blue/articles/article1506/
都道府県がん診療連携拠点病院である兵庫県立がんセンター(以下,当院)は,地域医療者・在宅療養支援を重視した案和ケア病床を設立した。当院緩和ケア病床入院設立の2012年4月から2013年3月までの1年間の入院患者の入床経路,入院時のperformance status(以下,PS..
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ケアとともに考えたい 患者・家族への経済的支援
経済的要因も考慮したがん治療と緩和ケアの選択https://www.seikaisha.blue/articles/article1432/
これらの新薬の開発で,全生存率や生活の質(QOL)は向上したが,残念ながら根治に至る例は,さほど増えていない。つまり,全体としての治療期間,あるいは在宅療養の期間は延長したが,その分だけ,長期にわたる支持療法,緩和ケアが必要になったともいえる。 ここで発生した新たな課題は,す..
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ケアとともに考えたい 患者・家族への経済的支援
患者・家族への経済的支援の実際―看護師としてできること―https://www.seikaisha.blue/articles/article1434/
看護師は,患者の生活全般の情報を得る機会が多い。患者は経済的な困りごとについて積極的に話さないことが多いので,この問題へのアンテナを高くして関わることが重要だと思う。そのうえで,“収入ができるだけ途絶えないようにするための支援”“費用をかけるものを意思決定することへの支援”を展..
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ケアとともに考えたい 患者・家族への経済的支援
「リビングニーズ特約」利用からみたがんの諸制度の活用―特に在宅緩和ケアに関して―https://www.seikaisha.blue/articles/article1436/
ある患者は,がん性疼痛によるADL(日常生活活動)の低下の中で,頑なに「訪問看護も訪問診療も月1 回にしてほしい」と希望していた。看護師は心配し「これほどつらいのになぜ?」と詳しく話を聞くと,「実は,経済的に余裕がないんです」と看護師に打ち明けた。それも,数日悩んでからのことで..