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緩和ケア口伝ー現場で広がるコツと御法度
オピオイドの眠気にアリセプト®https://www.seikaisha.blue/articles/article931/
● オピオイドは,おもに中枢神経に働いて痛みを感じなくする。 ● オピオイドの副作用の眠気をドネペジルで改善できるかもしれない。 ● 知っておくべき眠気の対処法5つ。 ①オピオイドの減量,②オピオイドのスイッチング,③ドネペジルの投与,④ドネペジルの減量,変更,⑤ペモリンの投..
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いま伝えたいこと―先達から若い世代に
犀の角のようにただ独り歩めhttps://www.seikaisha.blue/articles/article2083/
まず,最初に伝えたいことは,「偶然を必然に変える」である。ホスピス緩和ケアの分野を切り開いてきた先達は,たいていそこに至る必然の「物語」がある。私の場合は,どうか。きっかけは「偶然」といってしまえば実も蓋もないが,私にも「偶然」が「必然」となる過程には,多少の物語がある。
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仕事人の楽屋裏
川越厚https://www.seikaisha.blue/articles/article2097/
医学部を卒業後に,東京大学産婦人科で17年間勤務しましたが,当時はまだ一般的ではなかった在宅ホスピスに,1989年から取り組みました。数年間は,賛育会病院の院長として,病院経営の再建と緩和ケア病棟設立にも取組みました。緩和ケア病棟でやってみて「家の良さ」を再認識したこともあり,..
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「どうしたらいいのか」悩む場面―正解のない状況でのコミュニケーションや考え方【患者と家族のあいだで】
自宅ではない場所で婚姻関係にないパートナーと共に在宅ケアを受けたい患者への支援https://www.seikaisha.blue/articles/article2468/
近年の家族の形態は,さまざまである。医療者としては,「サザエさん」「ちびまる子ちゃん」のような家庭環境や人間関係なら分かりやすい。しかし,この15 年近くは,核家族から「個」家族が多くなっている。 在宅現場の印象としては,介護保険制度が開始され,ケアの時間・質がすべてお金に切..
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「どうしたらいいのか」悩む場面―正解のない状況でのコミュニケーションや考え方【家族との対応】
たまたま現れた経過をよく理解していない家族への対応https://www.seikaisha.blue/articles/article2482/
在宅ケアに携わるようになり,家族ケアほど難しく,個別性のある看護はないのではないかとさえ感じる。 しかし,在宅では,特に家族の存在や関係性が,ケアに大きな影響を及ぼす。医療者が,患者・家族の生活の場に入っていくことで,多様な家族のありようを目の当たりにする。日々の訪問を通して..
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「やめどき」について悩む場面―これまで行っていた治療・ケアを続けるのかやめるのか?
在宅移行後の病院への通院https://www.seikaisha.blue/articles/article2528/
化学療法や放射線治療のために,外来通院する患者の自宅での管理を,在宅医療機関に委ねられる場合がある。治療の目的や効果が明らかで,患者自身が通院できている場合はあまり問題とならないが,病状やPS(performance status)が悪化してくると,「いつまで通院し続けるべきか..
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「やめどき」について悩む場面―これまで行っていた治療・ケアを続けるのかやめるのか?
経口分子標的治療薬https://www.seikaisha.blue/articles/article2550/
がんに対する研究もめざましく進歩しており,たとえ進行・再発がんであっても,予後は飛躍的に延長している。特に,ある遺伝子変化によりがん細胞の生存に有利な細胞内情報伝達の活性化がもたらされ,増殖しているがん遺伝子中毒状態(oncogeneaddiction)であり,それらに対する選..
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「やめどき」について悩む場面―これまで行っていた治療・ケアを続けるのかやめるのか?
輸血(赤血球・血小板)のやめどき─在宅や緩和ケア病棟など,療養場所の検討へも影響がある場合https://www.seikaisha.blue/articles/article2466/
終末期患者において,血液疾患や出血のみならず,慢性炎症など,さまざまな原因によって,貧血・血小板減少が進行することは,頻繁に起こりうる。輸血依存性の患者さんにとって,輸血は広義の延命治療になりうる。同時に,療養の場所によっては,輸血実施が困難であるため,輸血の有無が終末期の過ご..
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「やめどき」について悩む場面―これまで行っていた治療・ケアを続けるのかやめるのか?
悪性消化管閉塞に対するオクトレオチドhttps://www.seikaisha.blue/articles/article2464/
オクトレオチドを含む薬物療法の効果が得られない場合に,中止の判断をすることは,比較的容易である。しかしながら,ある程度効果がありそうで症状が落ち着いている場合,いったん開始した薬剤の減 量や中止の判断は難しく,漫然と投与が継続されいることも多い。保険適応の投与方法は,持続皮下投..
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緩和ケア口伝―現場で広がるコツと御法度
在宅で看取りが近いと思った時の対応のコツhttps://www.seikaisha.blue/articles/article2784/
● 看取りが近いなと思った時に,筆者(医師)から,以下のことを伝えている。 1. 今後の見通し(今日,明日という可能性もあること,「場合によっては,1週間ぐらいは頑張るかもしれない」と幅をもたせて伝える)。 2. 心配な時はいつでも医療者を呼んでいいこと。 3. ただし,最期の時..
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悪性消化管閉塞にどう対応する?どうケアする?
否定的な試験結果が出たことで,オクトレオチドの使い方は見直されるべきか?─私の考えhttps://www.seikaisha.blue/articles/article2928/
オクトレオチドがガイドラインで強い推奨となった根拠としては,3件のブチルスコポラミン臭化物と比較した無作為化比較試験において,嘔吐回数と悪心の程度,胃管からの排液量などの項目で,オクトレオチドの優位性が一貫して示されていたことにあった2~4)。しかし,「症例数の少なさ」「臨床的..
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緩和ケア口伝―現場で広がるコツと御法度
在宅で点滴をする時のコツ─訪問看護師から病院の看護師に知ってほしいコツhttps://www.seikaisha.blue/articles/article2960/
在宅の分野ではよく知られていることであるが,在宅で点滴などの医療行為を行う際には,まず制度の面から整理する必要がある。なぜなら,「適切な保険制度を選択すること」が,ケア体制のづくりに大きく影響するからである。
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緩和ケア口伝―現場で広がるコツと御法度
在宅療養をサポートする薬剤─こんな置き薬をしておくといいですよhttps://www.seikaisha.blue/articles/article2966/
今回は,在宅療養を始めるにあたって,「種々の症状がある患者に対応する際,緊急使用の可能性がある」もしくは「事前に準備してあると役立つ薬剤」について紹介する。
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仕事人の楽屋裏
木澤義之https://www.seikaisha.blue/articles/article2952/
高校時代に,「人間の生きる意味は何か?」について疑問をもち,いくつかの宗教書や哲学書を読みました。また,自分はいわゆるサラリーマンになって企業の利益のために生きるのは向いていない性格(後述します)であることを加味し,「人間に関わる仕事をしたい」と考えるようになり,当初は高校教師..
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仕事人の楽屋裏
宇野さつきhttps://www.seikaisha.blue/articles/article3244/
「臨床現場でがん患者さんのケアの質向上に関わりたい」と思い,がん看護専門看護師(以下,CNS)を目指しました。しかし,その頃は日本でも数が少なく,どんなふうに活動していけたらよいのかと考え,大学院生の時に,イギリスのホスピス研修に参加しました。そこで出会ったマクミランナースから,..
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いま伝えたいこと―先達から若い世代に
入院型ホスピスケアから在宅ホスピスケアへhttps://www.seikaisha.blue/articles/article3188/
1988年,「胃がん」未告知のまま徹底した延命治療を受けて亡くなった父と,同じく,「肝細胞がん」という診断を病院ぐるみで隠し通し,未告知のまま吐血であっけなく亡くなった上司との関わりが,ホスピスケアとの出会いのきっかけでした。 当時神戸では,「死の臨床研究会」を立ち上げた河野博臣..
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在宅で「あきらめきれない」患者・揺れ動く家族にどのように対応するか?
https://www.seikaisha.blue/articles/article3911/
在宅訪問診療は,病院からの患者の紹介から始まることがほとんどである。患者・家族は病院で在宅療養を紹介され,当院の調整担当者が在宅医療について説明し,同意を得たうえで往診が開始される。 調整担当者や訪問した医療者(医師・看護師)が,「病院ではどのように病気のことを話されてきましたか..
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病気のことはどのように聞いていますか?(1)
https://www.seikaisha.blue/articles/article4162/
初回訪問は病院を退院したその日に医師と看護師が一緒に行きます。医療者が家に来るということで,大体の患者さんご家族は退院直後の疲労の中,緊張して待っています。 滞在時間は1時間ほどですが,診察や薬の調整とその説明,訪問診療の流れなど,どうしてもこちらから話す割合が多くなってしまいま..
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ご本人はどう思ってるのでしょうね。家でも病院でも,できること(すること)に大きな変わりはありません
https://www.seikaisha.blue/articles/article4168/
在宅ターミナルケアの条件として,(1)本人が在宅ケアを望むこと,(2)家族が在宅ケアを望むこと,(3)症状がコントロールされていること,などがいわれている。今回,魔法の言葉として取り挙げた「ご本人はどう思っているのでしょうね」は,(1)(2)の条件である患者・家族の思いを確認する..
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お家に帰って何かしたいことはありますか?
https://www.seikaisha.blue/articles/article4177/
私は,すべてのことを決める権利は患者さんにあると考えています。これからの治療をどうするのか,どこで療養するのか,どのように生きるのか,最期をどうするのか,どこで最期を迎えるのか,などなど,すべては患者さんの意向が大切だと思っています。そして,人間誰しも何かをしたい時には,それ相応..