-
とてもいい先生ですよ
https://www.seikaisha.blue/articles/article4180/
この言葉は,病院から在宅緩和ケアへ移行など医療連携が行われる際に,患者や家族に安心感を与える言葉である。病院から在宅緩和ケアへ移行となると,患者や家族は担当医や病院とのつながりが切れてしまうことを恐れる。「いい先生ですよ」は,単に連携先の医師を保証するだけでなく,医師同士の顔の見..
-
旅立ちの時は,本人が決めると思っています
https://www.seikaisha.blue/articles/article4183/
死に目に会うという言葉があります。どの時点を指すのかは,筆者には分かりませんが,息を引き取る時に側にいることなのかなと漠然と思っています。たぶん,一般の人々の最期のイメージは,何となくですが,みんなが側にいて,患者さんが眠っており,呼吸が止まって,心電図モニターがフラットになり,..
-
未来には幅がある
https://www.seikaisha.blue/articles/article4028/
入院中や外来診療と同様に,在宅療養中もたくさんの選択の連続だ。患者・家族は治療法の選択,薬剤の選択,療養場所の選択,介護サービスの利用など…と数多くの選択を迫られる。たとえば,患者の病状が思わしくない時に今後どのような方針で療養を続けていくかという大きな流れを話し合う場合もあれば..
-
最後の瞬間は苦しくなかった
https://www.seikaisha.blue/articles/article4186/
がん・非がんにかかわらず,在宅療養開始時に患者家族は遠からず訪れる死のイメージを明確には描けない,または描いていない場合が多い。これには核家族化,病院死が一般化したことなどのために親族の死を目の当たりにしたことがない,看病の経験がないことが背景にある。仮に,イメージをもっていたと..
-
在宅での鎮静は行われるべきか・行われないべきか?
https://www.seikaisha.blue/articles/article3790/
適切に緩和ケアが提供されても,なお緩和できない苦痛に,緩和的鎮静(palliative sedation)(以下,鎮静) が世界的に行われている。また,患者の多くは家で最期まで過ごしたいと考えており,緩和ケアの提供される場が,ホスピス,一般病院から在宅に拡がりつつある。鎮静が実施..
-
余命を予測する場面での看護の役割
(2) 在宅における患者・家族の支援https://www.seikaisha.blue/articles/article3864/
看取りを目的に在宅療養を選択する場合,余命の説明がされていることが大半であり,的外れなことも度々である。 自宅や自宅に準じた環境で療養をすると,想定以上に余命が延長したり,原疾患とはまったく関係ない事態(例えば,誤嚥や転倒による骨折,介護上の事故など)による突然死などもある。なか..
-
見学では分からない海外事情
アメリカ東海岸でホスピスナースとして働くhttps://www.seikaisha.blue/articles/article3896/
もともと訪問看護をしたくて看護師になった私は,保健師免許を取得し,訪問看護ステーションがまだなかった当時,数少ない訪問看護部門のある大学病院で病棟勤務をした。その後,米国でホームケアを学ぶため,1992年にペンシルベニア州フィラデルフィア郊外にある大学に留学した。正看護師の免許取..
-
メサドンをうまく使うコツ(2)
メサドンをどう使うかhttps://www.seikaisha.blue/articles/article3711/
市販後の2013年4月から2016年7月までの間に,宝塚市立病院で他のオピオイドからメサドンに変更されたがん疼痛の患者69例のうち,用量設定完了に至ったのは59 例である。そのうち,長期投与例,用量設定に至らなかった例,在宅での看取りに至った例について報告する。
-
緩和ケア口伝ー現場で広がるコツと御法度
死前喘鳴に対するスコポラミン軟膏の作成方法と使い方https://www.seikaisha.blue/articles/article3733/
● エビデンスは乏しいが,スコポラミン軟膏は死前喘鳴に対する治療の1つとして有効なことがある。 ● スコポラミン軟膏は薬事未収載薬のため,その使用にあたっては注意が必要である。 ● スコポラミン軟膏は,その特性から在宅緩和ケアでより使用しやすい。
-
緩和ケア口伝ー現場で広がるコツと御法度13
高齢者の幻覚妄想に酸棗仁湯https://www.seikaisha.blue/articles/article3676/
● 高齢者の幻覚妄想に,抗精神薬に比べ副作用や依存性が少ない酸棗仁湯が有用。 ● 幻覚妄想や不眠が出現したらすぐ開始する。 ● 併用により,抗精神薬の減量や中止が期待できる。
-
いま伝えたいことー先達から若い世代に
緩和ケア病棟での症状コントロール=在宅での症状コントロールとはならないhttps://www.seikaisha.blue/articles/article5245/
もし,本来的な緩和ケアがなされるのであれば,緩和ケア病棟では,一般病棟より丁寧できめ細かな配慮に満ちたケアがなされるはずである。それでも,そこが病棟であることに変わりはない。
-
緩和ケア口伝ー現場で広がるコツと御法度
在宅における点滴などの工夫https://www.seikaisha.blue/articles/article5259/
● 在宅では点滴スタンドの代わりにハンガーやさまざまな形状のフックを用いることがある。 ● 気切チューブ,胃瘻チューブ,褥瘡なども,その場にあるもので工夫ができる。 ● 在宅医療は生活の場であり,生活の知恵を工夫することを楽しむ。
-
キャリアデザイン―私たちの目指す道(2)
専門的緩和ケアを担う看護師に求められるものhttps://www.seikaisha.blue/articles/article5284/
新幡 智子 慶應義塾大学 看護医療学部 【キーワード】緩和ケア,看護教育,コンピテンシー 緩和ケアは,近年,がんだけでなく,非がんも含めて広く必要とされるケアとして考えられている。超高齢化社会,多死社会を迎えた日本では,がんとともに認知症をもつ患者・家族や非がん疾患の患者・家族の..
-
不眠への対応・私のコツ(3)不眠の治療は何のため?
https://www.seikaisha.blue/articles/article7593/
新城 拓也 し んじょう医院 本稿では不眠への対応について述べるのだが,まずは患者と医療者がどのような関係であるのかについて改めて考えてみたいと思う。 私は現在,在宅医療を中心に緩和ケアを提供している。在宅医療は往診して患者を診察するだけではない。自宅で暮らしている患者を治療する..
-
看護師が柔軟に対応するがん患者支援システムの構築について
https://www.seikaisha.blue/articles/article10137/
武見 綾子 川崎市立井田病院 看護部 川崎市立井田病院は,1949年の開院以来,地域医療の中核を担う病院として地域のニーズや社会の変化に柔軟に対応しつつ発展してきた。現在は川崎市内唯一の結核入院設備をもつ病院である。在宅医療にも力を入れ,1998年には緩和ケア病棟を設置した。20..
-
日本の現状・家族の変化
https://www.seikaisha.blue/articles/article10319/
西 智弘 川崎市立井田病院 かわさき総合ケアセンター 平成に入ってからの家族のあり様は,昭和中期~後期のそれとは大きく様変わりしている。生涯未婚率は上昇し,核家族化が進行し,高齢独居者も増え,そしてこれらの傾向は今後も進行していくことが予測される。 そういった状況のなかで,私たち..
-
知っておきたい法律・リソース (3)
在宅看取りで知っておきたいことhttps://www.seikaisha.blue/articles/article10341/
清水 政克 清水メディカルクリニック 終末期患者の在宅療養を継続できるかどうかは,「家族がいかに近くにいるか」「愛する家族のためにどれぐらい介護をすることができるか」「家族内で家族の責任を分担することができるか」にかかっているといわれている。そのため,ケアする家族のいない単身者の..
-
身寄りのない患者への対応(2)
連絡してほしくないという「身内」にどう対応するか?https://www.seikaisha.blue/articles/article10350/
倉持 雅代 さくら醫院 現代社会において家族のあり様は大きく変化し,子どものいない夫婦で片方が亡くなったり,独身のまま過ごしていたり,同胞も不在などと単身者も増えてきている。家族,親族との関係も疎遠となったなかで,患い,入院を余儀なくされる状況になったり,あるいは在宅療養を進めた..
-
身寄りのない患者への対応(5)
キーパーソンが不在のなかで本人が意識朦朧としてきたら,どうやって意思決定するか?https://www.seikaisha.blue/articles/article10368/
熊谷 靖代 野村訪問看護ステーション 人口の高齢化にともない,厚生労働省は,団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に,重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるように住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域..
-
いま伝えたいこと―先達から若い世代に(20)
ホスピスの心は自分自身 の人間学であるhttps://www.seikaisha.blue/articles/article10378/
末永 和之 すえなが内科在宅診療所 1990年に1人のがん患者さんとの出会いが,私がホスピスの道に入るきっかけであった。その患者さんは「終末期医療の充実とは何か。一言で言って人間の死を尊重してくれるということだ」という問いかけで,そのような医療の場を望んでいた。それから今日まで,..