"とっておき"彩々
シシリー・ソンダースの特集号と両親の最期

2018.08.28

本「アルフォンス・デーケンの死への準備教育―日本人にとって死とは何か?」の登場人物たちと筆者

左から山崎章郎氏(ケアタウン小平クリニック),横関祐子(筆者),アルフォンス・デーケン氏(上智大学名誉教授),古谷小枝子氏(大和・生と死を考える会),高橋誠氏(元慶応義塾高等学校教諭)

(第39回日本死の臨床研究会年次大会 岐阜都ホテル 2015年)

 

 先日、ひょんなことから、シシリー・ソンダース先生の来日講演の特集号を再読する機会があった。読み進めていくと、「あぁ、この写真…」と懐かしい写真に出会った。その写真とは、死を前にした女性が、シスターの手から水分を取っている写真である。私の記憶の奥に残っていたその写真が、再び私の目の前に現れてくれた。
 今年、私の両親が相次いで旅立っていった。父の最期には、父の実家で作ったりんごをすりおろし、ガーゼに浸し、口の中をぬぐった。母の最期には、好物であったかき氷のアイスを少量スプーンで口の中に運んだ。このような行為を自然と行ったのは、今思うと、この写真が私のどこかに留まっていたのかもしれない。
 ソンダース先生の来日講演の特集号は,私たちに勇気を与える。時を越えて、ソンダース先生の語りと、当時のお迎えした日本人の熱意が、多くの方々に届けられますようにと願っている。

編集部注
※シシリー・ソンダース先生の特集号は,「緩和ケア」の雑誌名がまだ「ターミナルケア」だった頃の7巻5号(1997年9月号)で掲載されました。残念ながら売切れとなっております。図書館などでご覧いただけますと幸いです。また,横関さんの述べている写真は,下記左の写真です。右はシシリー・ソンダース先生が来日されたときに,淀川キリスト教病院ホスピス,国立がんセンター東病院緩和ケア病棟,桜町病院ホスピスを訪問された写真です。

横関祐子

長野県上田市在住。看護師。長野赤十字病院、上田市役所、上田看護専門学校、長野看護専門学校、佐久大学を経て現在、上田女子短期大学(非常勤講師)および(有)さくら土地建物に勤務。「上田・生と死を考える会」世話人。
著書:「アルフォンス・デーケンの死への準備教育ー日本人にとって死とは何か?ー」(オフィスエム,2018年)