松本 禎久
国立がん研究センター東病院 緩和医療科
「早期からの緩和ケア」提供は,わが国においても施策として導入されて久しく,その間に欧米からエビデンスも示されてる。しかし,実際の臨床現場においては人的資源をはじめ実施上の問題も多く,いまだに緩和ケアが早期から患者に適切に提供されているとは言いがたい。こうした状況のなか,日本の社会保障体制や文化においても実施可能なモデルの構築が必要と考えられる。本稿では,現在,筆者らの施設で実施している進行肺がん患者を対象とした早期からの専門的緩和ケア提供についての研究を紹介する。