日本のがん患者の疼痛の頻度とPain Management Indexに関するメタ分析

2018.01.15

高橋理智*1, 2 森田達也*3 野里洵子*4 服部政治*5 上野博司*6 岡本禎晃*7
伊勢雄也*8 佐藤一樹*9 宮下光令*10 細川豊史*6
*1 田園調布中央病院 薬剤科
*2 東邦大学大学院 医学研究科 医療統計学分野
*3 聖隷三方原病院 緩和支持治療科
*4 東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍センター
*5 がん研有明病院 麻酔科
*6 京都府立医科大学 疼痛・緩和医療学講座
*7 市立芦屋病院 薬剤科
*8日本医科大学付属病院 薬剤部
*9 名古屋大学 大学院医学系研究科 看護学専攻 基礎・臨床看護学講座
*10 東北大学大学院 医学系研究科 保健学専攻 緩和ケア看護学分野


 痛みは,がん患者においてなお深刻な問題である 1-5)。1986年にWHO 方式がん疼痛治療法が発表され,すでに30 年が経過したが6),日本のみならず国際的にがん疼痛が十分に緩和されていないと考えられている1-5)。WHO方式がん疼痛治療法は,がん患者の痛みの70~90%に効果があるとされる7)一方で,有効性やエビデンスが不十分であることも指摘されている2, 8)。しかし,1986年以降,緩和ケアや疼痛治療に関する知識や技術は世界的に進歩し,ヨーロッパ緩和医療学会(European Association for palliative care:EAPC)をはじめ多くの関連学会が,がん疼痛治療に関するガイドラインを発行している。それにも関わらず,最近の研究でも進行がんではがん患者の66%に痛みがあるといわれている9)。Pain Management Index(PMI)10)は,がん患者の疼痛管理の質の指標として,信頼性・妥当性が検証されたものであり,国際的に最も使用されている。

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