森田 達也(聖隷三方原病院 緩和支持療法科)
十九浦 宏明(聖隷三方原病院 ホスピス科)
【今月のKey Article】
Tsukuura H, Miyazaki M, Morita T, et al:Efficacy of prophylactic treatment for oxycodone-induced nausea and vomiting among patients with cancer pain( point):a randomized, placebo-controlled, double-blind trial. Oncologist pii:theoncologist. 2017-0225. doi: 10.1634/theoncologist.2017-0225.
今号は,「オピオイドの開始時に制吐剤の予防投与は必要なのか?」に関する比較試験を扱います。国内では,オピオイド開始時に制吐剤(主にはプロクロルペラジン〈ノバミンⓇ 〉)をルーチンに予防投与することが勧められてきましたが,海外では「30%くらいにしか生じないものに予防投与する」という発想があまりありません。したがって,海外での実証研究がほぼ0の状態でのぞんだ臨床試験ということになります。