発達障害のあるらしい医療者との協働

2018.09.15

佐々木 史
市立釧路総合病院 精神神経科


精神科医として某病院に赴任して間もない頃,こんな症例を依頼された(患者および関係者のプライバシー保護の観点から,経過は敢えて一部改変してある)。
患者は30歳代前半の女性。めずらしい部位のがんであることが判明し,かつ既に多発肺転移も認められ,予後不良と考えられた。いったん呼吸器外科に転科して肺の部分切除術を終え,また元の病棟に戻って化学療法施行中であった。主治医からの依頼の内容は「まだ若いのに予後不良のがんなので,精神科が必要です」とのこと。想像はつくけど,できれば「どう必要なのか」を書いてほしいな…などと思いながら,いざベッドサイドに伺うと,笑顔の可愛らしい,人懐こい患者であった。曰く,「そりゃぁ最初にがんだって聞いたときはびっくりしたし,相当落ち込んだけど,今は大分落ち着きました。主治医が精神科にもかかっとけって言うから…」。

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