死を意識した時に何を語り合うか ─苦痛と苦悩の中にある人間理解とセルフ・アウェアネス
終末期患者へのスピリチュアルケア―“患者のリアリティ”と“援助者のリアリティ”―

2013.11.15

 筆者は,「スピリチュアルペイン」を特定しそれを取り除くというスピリチュアルケアのイメージをもっていない。なぜなら,仏教的に言えば「生」そのものが苦であり,ユダヤ=キリスト教の伝統に従うならば,すべての人間は罪人である。人間は,本質的に悩み苦しむ存在である。そして同時に,その存在が喜びや幸せを感じる主体でもある。スピリチュアルケアは,患者がこれらを十分に経験し,自分なりの意味づけを見出すことに同伴するケアであって,問題を解決するケアではない。

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