酸素投与は,患者に,拘束感や鼻腔/口腔の乾燥などの苦痛をもたらすことがあり,また,せん妄の増悪因子となってしまう可能性もある。つまり,あまり意識されないかもしれないが,酸素投与は,負担やリスクを伴う医療行為であるというのも事実である。
したがって,特に終末期にある患者においては,酸素飽和度という「数字」の改善というような,患者にとって直接的なメリットではない治療目標ではなく,より患者に直接的にメリットとなる治療目標を立てることが望ましい。では,終末期にある進行疾患患者の呼吸不全に対して,酸素投与を行うことは,患者に直接的なメリットをもたらすのであろうか?
「治療するかしないか」について悩む場面―新しく治療・ケアを始めるのか?
進行疾患の終末期に合併した呼吸不全(低酸素血症)への酸素投与をどうするか?
2015.08.21
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