若年成人がん患者のパートナー(以下,パートナー)は,患者と同じyoung adult世代(以下,YA世代;20〜30歳代)であることが多い。この時期には,青年期に獲得したアイデンティティをもって他者を愛し,親密さを育んでいくと同時に,社会生活や家庭の中で,できうることに意味を見出し,生産性(生殖性)を志向する。課題を達成できれば,他者との親密性を獲得し,子どもを次世代につなぐことができる一方で,発達危機として,孤立や停滞が起こることもある。
本稿では,多くの課題を抱える若年成人がん患者のパートナーの特徴と,パートナーへのケアについて概説する。