日本のがん疼痛とオピオイド量の真実
世界各国と日本のオピオイド消費量に関する研究―日本のがん患者に使用されているオピオイドは本当に少ないのか?

2016.11.15

国際麻薬統制委員会(International Narcotics Control Board;INCB)の報告では,過去20年で世界全体のオピオイド消費量は3倍以上に増加している。このような動向は先進国の消費量増大によるところが大きく,日本も増加傾向にはある。しかし,日本のオピオイド消費量は他の先進国と比較して少ない。このことから,日本のがん患者に使用されたオピオイドも少ないと一般的に認識されている。一方,各国との比較の対象となるINCBのオピオイド消費量では使用目的の区別はできず,がん患者の鎮痛目的だけではなく,手術麻酔に加えて非がん患者の鎮痛に使用されたオピオイドが合計して集計されている。

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