大学院の先輩が,国立がんセンター東病院(当時)で臨床心理士の募集があることを教えてくださったのがきっかけです。勤務地が私の故郷にあり,しかも臨床心理士にとって貴重な常勤職の募集でしたので,複数の先輩が私に連絡してくれました(臨床心理士は半数しか常勤職に就けません)。当時はがん医療に携わる臨床心理士が少なかったので,未知の世界のようで魅力的に感じました。さっそく本屋で緩和ケアの書籍を探して読んだのですが,死を前にして働く現場の張り詰めた空気とあたたかさが伝わってきて,患者さんと真摯に向き合う医療者の姿に感銘を受けました。ぜひその一員に入れていただきたいと思い,応募に至りました。運よく採用していただき,その後,静岡がんセンターを経て,現在に至ります。