せん妄は軽度から中等度の意識混濁と意識変容を併せ持つ病態である。特に高齢者や入院患者に起こりやすく,治療薬によりせん妄が誘発されることもある。がん患者がせん妄を呈することはまれではなく,全身状態の悪化に伴いせん妄の出現頻度は増加する。しかし,病像が多彩で一般化されにくいことから,実際の臨床では見過ごされやすい。せん妄を呈するとその人らしい精神活動が障害され,患者のみならず看護師や家族も苦痛を感じやすいため,せん妄を早期に発見することは緩和ケアにおいて重要である。
本稿ではせん妄の際に出現する症状についてまとめ,症状評価と早期発見の方法について論じる。
せん妄はこう現れる
2016.03.15
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