仕事人の楽屋裏 17
濵本千春

2017.09.15

「看護って何?」の答えを探すために訪問看護を選びました。幼いころから看護師は身近な存在であり,自然な選択でした。しかし,看護学生になると「看護って何?」に納得できる解答が得られないまま卒業しました。
就職1年目に同期が自分の勤務先の病棟で療養することになり,「何で私なの……。皆と同じように働きたい……」と大粒の涙を流す彼女の横でただ聴くことしかできませんでした。同じころに父ががんになり,できることを探しましたが,予想以上に何もできない自分に葛藤しました。私は「○○病院の△△病棟勤務の看護師」という肩書と環境のなかでしか仕事のできない,ただの20歳代の女性なのだと気がついたのでした。

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