がん患者の呼吸困難に対するベンゾジアゼピンの使い方

2017.11.15

松田 能宣
国立病院機構 近畿中央胸部疾患センター 心療内科/支持・緩和療法チーム


日本緩和医療学会の『がん患者の呼吸器症状緩和に関するガイドライン 2016年版』(以下,2016年版ガイドライン)において,がん患者の呼吸困難に対して,ベンゾジアゼピンの単独投与は「行わないことを提案する」,オピオイドとベンゾジアゼピンの併用は「行うことを提案する」との記載がなされた。この記載を実臨床に利用していくにあたり,「呼吸困難を訴えるがん患者にベンゾジアゼピンを投与することはないのか?」「使用するなら,どのベンゾジアゼピンをどの投与経路でどのくらいの量で使用するのか?」「オピオイドと併用する場合には,どれくらいオピオイドを増量してから併用するのか?」「ベンゾジアゼピンを使用する際の注意点は何か?」といった疑問が生じたかもしれない。そこで本稿では既存のエビデンスと実際の臨床経験をふまえて以上の点を考察する。

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