<事例>
B さん(57 歳,女性,乳がん末期)は,痛みや倦怠感により身の置きどころのない状態。付き添いの夫(60 歳)は,「頑張れ! 頑張れ!」と声をかけている。医師が,苦痛緩和のためのモルヒネ使用を促すと,夫は「命が縮まる。妻はそこまで苦しがっていない」と返答し,医師が繰り返し説明しても納得しない。看護師は,夫は薬の必要性を理解できていないと感じ,その都度「分からないことはありませんか?」と夫に尋ねるが,夫は「大丈夫です」と拒否的な反応であり,どう関わっていいのか分からなくなってしまった。