一歩先のがん患者の作業療法
◆編集 池知良昭/石橋 裕/田尻寿子
自信をもって作業療法の効果を対象者に説明できる重要性を多くの臨床家が感じている。その臨床家の背中を押すように、一歩先の実践はもとより、臨床に即した研究の背景や具体的な研究手法から「死の準備教育」までの内容を紹介。
一歩先のがん患者の作業療法
序文 池知良昭/石橋 裕/田尻寿子 003
第1章 臨床家のための,一歩先を行くがん患者への作業療法実践
1. NBM(Narrative Based Medicine)に基づく生活支援 縄手雪恵 010
2. EBM/EBPに基づく生活支援と,NBMとの統合,クロッシングアプローチ 田尻寿子 015
3. クロッシングアプローチによる事例 窪 優子 021
4. がん治療期の生活支援 櫻井卓郎 025
5. 維持期の生活支援 阿瀬寛幸 031
6. 作業療法におけるルックスケア 石橋仁美 037
7. Exercise Oncologyの視点を活かした作業療法 鈴木克喜 042
8. 就学支援 窪 優子 047
9. がん患者の両立支援のための社会制度と多職種連携 杉山亮輔 052
10.医療機関における脳腫瘍患者への就労支援 梅﨑成子 057
11.緩和ケアを主体とした時期における作業療法 池知良昭 062
12.在宅での緩和ケアを主体とした時期における作業療法とその課題 土屋晶子/田尻寿子 066
13.スピリチュアルケアとしての作業療法 田尻寿子 071
14.作業療法士が知っておきたい死生学 池知良昭 078
15.作業療法士が知っておきたい小児・AYA世代のグリーフケア 窪 優子 081
16.作業療法士が知っておきたい悲嘆(グリーフ)とグリーフケア 臂 美穂 084
第2章 臨床家のための,一歩先を行く作業療法研究
1. がん領域におけるエビデンスと「研究の背景」の伝え方 華井明子 092
2. がん作業療法研究の目的および意義,研究方法を明らかにする 石橋 裕 097
3. インフォームド・コンセント,インフォームド・アセント 田畑阿美 102
4. がん作業療法における代表的な研究デザイン(1)─記述的研究・横断研究・縦断研究から 川端敦史 108
5. がん作業療法における代表的な研究デザイン(2)─介入研究と文献研究 那須識徳 114
6. 臨床家が研究をはじめるにあたり,知っておくべきこと 久村悠祐/田平隆行 119
7. [トピック1]化学療法実施中の悪性リンパ腫患者における認知機能と身体・精神機能との関連 山口良太 122
8. [トピック2]がん性疼痛における日内律動性 杉野達也 125
9. [トピック3]周術期高齢がん患者における術後せん妄発症が心身機能の改善に与える影響 久村悠祐/田平隆行 127
10.[トピック4]日本語版がんコーピング質問票(Cancer Coping Questionnaire;CCQ)の作成 横田浩輝 131
11.[トピック5]ルックスケア評価表の作成 川原宇央 135
12.[トピック6]復学後の小児脳腫瘍患児の認知機能,生活の質および適応行動に関する調査研究 田畑阿美 139
第3章 臨床家が一歩先を行くための,後輩育成や自己研鑽
1. がん分野の作業療法教育 ─学部生,大学院生に対するがん作業療法教育の実際 そして卒業後の生涯学習 山田優樹/池知良昭/田尻寿子 144
2. 死への準備教育から学んだこと 目良幸子 150
3. 死生観を育むための死への準備教育の実践 野尻明子 155
次号予告 160