緩和ケア 2014年1月号

再発・進行がん患者の治療中のサポーティブケア

がん化学療法の飛躍的な発展は，患者・家族に希望をもたらしているが，依然，効果と表裏一体の関係にある副作用が，患者を苦しめている。がん対策基本法の重点的課題には，「がんと診断された時からの緩和ケアの推進」が挙げられているが，実際に早期からの緩和ケアは実践されているのだろうか。治療が長期間に及ぶ再発・進行がん患者は，副作用に悩まされる期間も長く，がんの進行により，症状が複雑であるうえ，心理社会的にも多くの問題を抱えている。限られた余命を副作用に苦しみながら過ごす患者・家族を目の当たりにすると，早期からの緩和ケアが十分に行われているとはいいがたいように感じる。
　化学療法の副作用緩和は，困難である場合も多いが，少しの予防や早期の対処で緩和される症状も多い。再発・進行がん患者の大多数が，化学療法を受けている現状から，患者の周りのすべての医療者に，明日から使える副作用緩和の知識をもってもらうことで，化学療法を受ける患者の支援は，一歩前進すると考える。