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安楽死問題と臨床倫理-日本の医療文化よりみる安らかな生と死の選択-

ISBN:978-4-902249-45-3

仕様:A5判 152頁

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〈総論〉安楽死と終末期医療

1)安楽死とは何か 清水哲郎

QOL優先と延命優先の狭間で/WHOの“緩和ケア”の理解と安楽死への態度/緩和を意図する選択が縮命を伴う場合の分類/各選択肢のアセスメントと比較:相応性原則/相応性論と疼痛コントロール・セデーション・安楽死

2)あらゆる生を否定しない立場とは 立岩真也

関わりの始まり/本との出合い/「生存学」/支援・研究/制度を知らない専門職/中立は良いことなのか?/現場と学問の連携の具現化/無知についての無知を認める

3)安楽死と自殺幇助のアメリカにおける問題点  FrankJ.Brescia

4)終末期医療の決定のプロセスに関するガイドラインについて 伊東芳郎

「終末期医療に関する調査等検討会報告書」の概要/終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン/終末期医療およびケアのあり方/終末期医療およびケアの方針の決定手続/おわりに

〈各論〉安楽死問題と臨床倫理の実際

1)臨床倫理の基礎と実際

臨床倫理のコンセプトとプロセス 清水哲郎
3つの倫理原則/自律尊重から人間尊重へ/益・害のアセスメント/患者・家族と共同で辿る意思決定プロセス/プロセスはダイナミック

臨床倫理サポートとは 板井孝壱郎
臨床倫理の登場/臨床倫理コーディネーター/倫理コンサルタントに最低限求められる資質/臨床倫理サポートとは?/常設型臨床倫理コンサルテーションルーム「喫茶・りんり」/倫理問題を個人の悩みにしない/倫理的であるために必要な2つの要素/独善の悲劇を繰り返さないために

臨床倫理の現状と課題、そして看護職の役割 青柳明子
看護部の取り組みが目指すもの/看護部の取り組み/医療現場における看護倫理の研修/事例検討の意義と実際/身近な看護倫理事例/おわりに

終末期医療の現場で実感する倫理的問題-現場における倫理観、チームとしての共有から解決へのプロセスを辿る 三原大佳
東札幌病院の概要/癌化学療法センターでの化学療法の内訳/悪性腫瘍に対する化学療法の適応と副作用/化学療法効果と副作用のバランス/化学療法の利害/治癒、症状緩和などの可能性と化学療法/あなたは化学療法をいつまで続けますか?/化学療法の問題点/化学療法の適応・不適応/化学療法における倫理問題/ギアチェンジ前後の心のケアと倫理/倫理問題の対応

2)パリアティブ・セデーション(緩和的鎮静)と安楽死

基礎および臨床腫瘍学の視点から 向山雄人
再発・転移固形がん治療の連続性・ボーダレスのがん治療/「癌研緩和ケア・キャンサーボード」と「リンクドクター」制度(2009年3月まで)/緩和ケアチームへの依頼項目(2009年3月まで)/がんの進行に伴う病態と症状/国際標準の緩和治療に抵抗性の高度な苦痛に対する持続性のディープ・セデーション/がん患者のスピリチュアルペイン

パリアティブ・セデーションと安楽死-メンタルケアの立場から 大西秀樹
がん患者の精神科診断/事例から-初診時の様子/症状の改善がない/うつ病の診断/精神症状による負の影響/意思決定能力の評価について/パリアティブ・セデーションおよび安楽死における意思決定

臨床現場におけるセデーション施行時の倫理的葛藤について 池永昌之
精神的苦痛に対するセデーションの施行と自己決定/精神的苦痛とセデーションの施行/推奨されない対応、推奨される対応/臨床現場におけるセデーション施行時の倫理的葛藤について/患者と家族の意思が異なる時/セデーションと積極的安楽死の違い

なぜ、パリアティブ・セデーションなのか 竹之内裕文
緩和ケアにおける「セデーション(鎮静)」/「パリアティブ・セデーション」という名称について/セデーションの種別とQOLの向上/パリアティブ・セデーションと安楽死の区別/選択の基盤としての死生観-緩和ケアの精神

パリアティブ・セデーションと臨床倫理 浅井 篤
パリアティブ・セデーションに特化した倫理的問題とは何か/事例から二重結果の原則を考える/自発的・積極的安楽死への反対論/自発的・積極的安楽死への賛成論/安楽死に関する疑問/パリアティブ・セデーションに関する問い

カナダにおける緩和医療の実践 樽見葉子
研究論文をもとにした考察/日本とカナダ-概ね意見の一致している点/相違がみられる点

3)終末期医療のあり方をめぐって

コミュニティケアにおける看取り 長谷川美栄子
ホスピスケアからコミュニティケアへ/ホスピス緩和ケアの定義/東札幌病院の概要/在宅での看取りを可能にする要件/看取りの自己決定/最期まで暮らせる地域づくり

終末期医療のあり方をめぐって 有賀 徹
日本救急医学会の終末期/終末期医療をめぐる法律問題/救急医療における終末期医療に関する提言(ガイドライン)/背景認識と意義/終末期の定義と家族の判断/延命治療を中止する方法/患者と医療者の協働の意味/生命倫理の2つの潮流

海外の緩和医療の現場からの終末期医療の現状と展望 樽見葉子
カナダの状況/緩和ケアの難しさ/R氏の場合/安楽死と自殺幇助に関する世界の動向/医療従事者の使命/良き終末期に備えて今できること

日本人にとって尊厳ある死 久保千春
終末期の分類と定義/患者・家族の意思への3つの対応/意思決定プロセスにおける注意点

急いではならない尊厳死の法制化 佐々木泉顕
法制化の落とし穴/死ぬことが分かっている場合の自己決定権/安楽死の6つの要件/尊厳死法制化への日本ならではの懸念/望まれる検証と議論