日本の現状・家族の変化

2018.05.15

西 智弘
川崎市立井田病院 かわさき総合ケアセンター


平成に入ってからの家族のあり様は,昭和中期~後期のそれとは大きく様変わりしている。生涯未婚率は上昇し,核家族化が進行し,高齢独居者も増え,そしてこれらの傾向は今後も進行していくことが予測される。

そういった状況のなかで,私たち緩和ケア医療者を取り巻く環境も変化してきている。国の方針は,より在宅での終末期療養を推進する傾向にあり,それを支持するエビデンスも多く発表されるようになってきている。しかし一方で,単身独居の世帯や,高齢者の2人暮らしといった世帯では,特に担がん患者においては在宅で終末期を過ごすということ自体に多くの困難があることも事実である。私たち緩和ケア医療者は,こういった社会状況に応じて,どのような知識や実践を身につければ,患者が自らの人生をまっとうできるように支援ができるのかを考えていく必要がある。

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