山崎 祥光
弁護士法人 御堂筋法律事務所
さまざまな法律上の能力とそのレベル
1. 各能力の概要
判断や行動に関する能力のレベルにはさまざまな段階があるが,医療提供の場面では,①意思能力,②行為能力と③意思決定・同意の能力が問題となるので,用語の概要とそのレベルを表1に示す。
2. 意思能力
契約は2つの意思表示の一致によって成立するように,法律行為は当事者の意思に根拠づけられる。しかし,そのためには最低限の理解力・判断能力が必要であり,意思能力に欠ける場合には,法律行為は無効となる(民法改正で第3条の2として明文化される予定)。一般的には,意思能力ありとされるには,6~10歳児程度の能力が必要といわれている。