介護を担う家族介護者の負担感に関する研究調査や,報道などは,数多く目にするが,家族の抱える多面的な負担(身体的・精神的・経済的など)を抜本的に軽減するものは,既存の制度や支援体制の枠組みでは,なかなか見当たらないのが現状である。当法人(介護者サポートネットワークセンター・アラジン)では,2001年から「家族介護者を地域で支援するための仕組みづくり」に取り組んできた。
本稿では,当法人での日頃の実践を通じて知るところの,認知症の人を介護する家族が直面するつらさや葛藤,悩みなどについて述べたうえで,家族介護者への支援のインフォーマルな社会資源や,その視点を紹介する。