不眠への対応・私のコツ(1)非薬物療法を中心に

2017.07.15

藤澤 大介
慶應義塾大学医学部精神神経科/緩和ケアセンター


1. 患者さんの訴えと実際の睡眠状況の把握
不眠は主観的要素が多い。患者さんの訴えだけでなく,同居するご家族の観察や,睡眠状況を24時間の時間表(睡眠・覚醒リズム表)に記入していただくなかで,睡眠障害の診断や,具体的な指導のポイントが見えてくることが多い。
2. 急性の不眠vs慢性の不眠
不眠は,急性不眠(一過性の不眠)と慢性不眠に分けて考える。急性不眠は,不眠の原因がはっきりしていて,睡眠薬の処方と簡単な睡眠指導で対処できることが多いが,慢性不眠は患者の心理・行動面の影響が大きく,薬物療法だけに頼らず,不眠を持続させる要因となっている心理・行動面に焦点を当てて,患者さん自身にも治療に主体的に取り組んでもらう必要がある。

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