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死を意識した時に何を語り合うか ─苦痛と苦悩の中にある人間理解とセルフ・アウェアネス
呼吸苦痛の強い終末期がん患者との関わりhttps://www.seikaisha.blue/articles/article1392/
新潟県立がんセンター新潟病院は,2007 年1月都道府県がん診療連携指定病院に指定され,緩和医療の提供・整備を行ってきた。2009 年5 月に緩和ケア科外来が開設されたが,緩和ケア病棟を有しないため,がん患者は一般病棟で終末期を迎えている。 筆者は,消化器内科病棟に所属し,実..
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死を意識した時に何を語り合うか ─苦痛と苦悩の中にある人間理解とセルフ・アウェアネス
死の不安を秘めた患者との関わりhttps://www.seikaisha.blue/articles/article1396/
がんと告げられた時,人はまず何を思うのだろうか?「まさか,私が?」ということが頭の中で駆け巡り,うろたえ,真っ白になるのであろう。そして,それまで当たり前であった自分の存在がなくなってしまうこと,つまり「死」を意識するのである。 しかし,それはあまりにも孤独であり,恐怖を伴う..
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らしんばん
病院でも在宅でも継続して! やれることはなんでも!―若手緩和ケア医のわがまま―https://www.seikaisha.blue/articles/article1178/
私は,かつて短い内科経験だけで,緩和ケアの世界に飛び込んだ。医師になってまだ8 年の若輩者。内科医として化学療法を行っていた頃は,治療効果が出れば患者さんと共に喜び,思うようにいかない時は共に悲しんだ。終末期も可能なかぎり全力を尽くしたが,無力さを実感する日々であった。 しっ..
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再発・進行がん患者の治療中のサポーティブケア
再発・進行がん患者のサポーティブケアとしての副作用マネジメントhttps://www.seikaisha.blue/articles/article1182/
再発・進行がん患者のサポーティブケアを継続的に行うためには,脳・骨転移の放射線治療も不可欠である。化学療法と同時に,また休薬して実施されることが多いが,患者の中では,治療に伴う症状は混在して出現するため,医療者が両方の基本的なマネジメントの知識と技術をもつことが,サポーティブケ..
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再発・進行がん患者の治療中のサポーティブケア
がん化学療法を受ける患者の副作用症状の緩和とその考え方についての一考察https://www.seikaisha.blue/articles/article1184/
がん化学療法を受ける患者は,2 つの苦痛を被る。1つは「がん」に起因する苦痛であり,もう1つが「化学療法」に起因する苦痛である。そして,この2つの苦痛は,互いに密に関係し合っている。 治療中の再発・進行がん患者を全人的に診ようと考えるのであれば,この2 つの苦痛を切り離して考..
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再発・進行がん患者の治療中のサポーティブケア
皮膚症状のマネジメントhttps://www.seikaisha.blue/articles/article1186/
がん化学療法に伴うさまざまな皮膚症状は,患者の身体的な苦痛だけでなく,ボディイメージを変容させ,患者のQOL を著しく低下させる。再発・進行がん患者においても,皮膚症状を伴うがん化学療法は多く実施されており,がんそのものに伴う症状に加えて,皮膚症状のマネジメントも 重要とされる..
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再発・進行がん患者の治療中のサポーティブケア
悪心・嘔吐のマネジメントhttps://www.seikaisha.blue/articles/article1188/
化学療法に伴う悪心・嘔吐のマネジメントは,制吐薬の開発と,適正使用のためのガイドラインが整備されたことにより,改善がみられるようになった。しかし,再発・進行がん患者が治療中に体験する悪心・嘔吐は,抗がん剤の直接作用のほかに,複数の要因が重なって生じていることが多い。 また,悪..
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再発・進行がん患者の治療中のサポーティブケア
注意が必要な支持療法薬https://www.seikaisha.blue/articles/article1190/
化学療法の副作用に対する支持療法において問題となるのが,①推奨治療でない,②治療医が使用経験のない支持療法薬である,③支持療法薬の使用により,化学療法の効果への影響に関する懸念がある,④支持療法の副作用に対して懸念がある,⑤支持療法薬について情報が不足している,などが挙げられる..
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再発・進行がん患者の治療中のサポーティブケア
放射線治療を受ける患者のサポーティブケアhttps://www.seikaisha.blue/articles/article1192/
症状緩和を目的とした放射線治療(raditationtherapy;以下,RT)は,さまざまな症状に用いられる(表1)。その中でも,有痛性骨転移に対しての放射線治療は,最もよく用いられる。 緩和的RT での治療計画における考え方は,①照射野は小さめに,②照射期間はできるだけ短..
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再発・進行がん患者の治療中のサポーティブケア
化学療法のインフォームド・コンセントと副作用を体験した1人の患者からhttps://www.seikaisha.blue/articles/article1194/
26 歳だった1997 年秋から2000 年夏にかけて,肺に広く転移した精巣腫瘍のため,2 度の再発を含めて計10 クールの化学療法を受けた。 あの頃に比べると,研究者から臨床の現場まで,化学療法や放射線治療の副作用への関心が高まり,副作用が少ない薬や補助療法の薬が開発されて..
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CURRENT ISSUE
「緩和ケアセンター」の概要と現状・将来的な展望についてhttps://www.seikaisha.blue/articles/article1196/
「基本計画」では,拠点病院を中心に,緩和ケアを迅速に提供できる診療体制を整備するとともに,緩和ケアチームや緩和ケア外来などの専門的な緩和ケアの提供体制の整備と,質の向上を図ることが求められている。そのため,今後,チーム医療や外来を含めた診療の質の向上を目指し,緩和ケアの提供体制に..
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画像で理解する患者さんのつらさ
お腹が張って,おしっこも出ません!https://www.seikaisha.blue/articles/article1200/
・夜間当直帯の救急外来にて WOCナース:R先生,今晩の救急外来担当ですよね。消化器外科の患者さんが救急車で来院されました。診察,お願いします。 緩和ケア科研修医:了解です。状況を教えてください。 WOCナース :A さん,70 歳代男性,肛門がんで,7 年前にMiles 手術を..
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ほっこり笑顔!季節のおやつ
かきもちhttps://www.seikaisha.blue/articles/article1374/
1 月は,かき餅を提供します。 おやつのイメージから,いつもは甘い味のお菓子や,喉ごしを考えて,ゼラチンや寒天を使ったお菓子を提供することが多いのですが,お茶のお供として,やっぱりお煎餅も好まれます。 ◆ この文献の続きは、下記書籍からお読みいただけます。
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患者さんがくれた宝物
医療は,なんのためにhttps://www.seikaisha.blue/articles/article1378/
秋も深まったある日,その患者さんは,「数カ月前からお腹の調子が悪い,最近痛みが出てきた」という主訴で来院された。60 歳代の女性で,まだ仕事もバリバリやっているはつらつとした方であったが,ここ数カ月はどんどん弱っていくようであった。これは単なる胃腸炎などではなさそうだ,というこ..
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わたしのちょっといい話
一期一会https://www.seikaisha.blue/articles/article1165/
まだ、学生だった頃。60歳代男性の肺がん患者さんと実習先で出会いました。その方は、私が薬学生だと分かると,「この薬を飲む前は痛みが強くて,家族に八つ当たりばかりしていたよ。今はまったく痛みがなくて,家族とも笑顔で会話できる。薬ってすごいね。こういう薬を皆が使えるように頑張ってね..
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コミュニケーション広場
今とこれからを生きる君たちへー高校生と考えたがんといのちのことhttps://www.seikaisha.blue/articles/article1167/
個人的にご縁をいただき,中学校・音楽大学での特別授業,一般大学での正規の講義を通して,いのちが生まれ,輝き,そして人が死にゆくことについて,さまざまな年代の生徒・学生さんたちとともに考える貴重な場を,この10 年ほど重ねて参りました。そして,がん診療に携わる医師が子どもたちの前..
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ほっこり笑顔!季節のおやつ
おひな祭りのババロアhttps://www.seikaisha.blue/articles/article1171/
3月は「いちごババロア」を桜湯とともに提供します。いちごの色でピンクに染まったババロアはおひな祭り(桃の節句)にぴったりのおやつに思います。
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短 報
外来処方箋からみた慢性腎臓病(CKD)患者におけるオピオイド処方の検討https://www.seikaisha.blue/articles/article1175/
日本人の成人人口における慢性腎臓病(chronic kidney disease;以下,CKD)患者数は約1,330万人(12.9 %)と推計され,顕著に増加している。そのため,がんの疼痛管理を必要とする患者にCKD を合併していることが多くなると予想される。
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らしんばん
終わらない看護の“Act locally”https://www.seikaisha.blue/articles/article1139/
日常業務の中で大切なことを見失ってしまう瞬間は,忙しい時ほどありがちで誰しも経験があることではないだろうか。私も時々,看護師として反省することがある。特に,経験が浅い時期は,自宅にいる末期がん患者の疼痛コントロールや,介護サービス体制の調整などに追われてしまっていた。そのため,..
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死と正面からむきあう─その歴史的歩みとエビデンス
親をがんで亡くす子どもたちの支援―子どもたちと一緒に親の死とむきあう―https://www.seikaisha.blue/articles/article1149/
親をがんで亡くす子どもへの支援では,子どもがいつも誰かに見守られている安心感をもつことができ,自分が「含まれている」と思えることが必要である。 聖隷三方原病院(以下,当院)では,2010 年から,がんの親をもつ子どもサポートチーム(以下,サポートチーム)が活動している。本稿で..