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いま伝えたいこと―先達から若い世代に<2>
「ペーシエントからパースンへの挑戦」に価値をおいてhttps://www.seikaisha.blue/articles/article1579/
1960年代,大学病院のナースだった頃,終末期がん患者の痛み治療は,急性期のそれとまったく同じで,オピオイド製剤の筋肉内注射でした。注射ですから,吸収は速いのですが,血中濃度は中毒域にまでになりますので,患者は眠ってしまいます。排泄も速く,目覚めると,また痛みとの闘いです。すが..
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仕事人の楽屋裏〈2〉
岡本禎晃https://www.seikaisha.blue/articles/article1601/
緩和ケアを選択したきっかけ 大阪大学医学部附属病院の薬剤師になり,最初の担当病棟が整形外科でした。整形外科病棟は,リウマチや,変形性関節症の手術目的の患者さんが主ですが,がんの患者さんも多くおられました。患者さんと接してみて,痛みを訴える方が多いこと,薬で病気が治らないことに驚き..
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緩和ケア口伝―現場で広がるコツと御法度
不安がある痛みにリリカ®https://www.seikaisha.blue/articles/article2092/
● リリカ®は,神経障害性疼痛や全般性不安障害の治療効果に関して,豊富なエビデンスがある。 ● 不安感や不眠を伴う神経障害性疼痛に対して,速やかに奏効する可能性がある。
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「どうしたらいいのか」悩む場面―正解のない状況でのコミュニケーションや考え方【患者と家族のあいだで】
「 離別した娘に最期に会いたい…」でも家族は会わせたくないhttps://www.seikaisha.blue/articles/article2470/
終末期がん患者は,痛みなどの身体的苦痛症状を体験するとともに,社会的・精神的・スピリチュアルな苦痛を体験する。その過程で,「これまでの自分の人生を振り返り,整理を行いたい」と願う時が訪れる。限りある時間の中での希望の実現や,実現に向けての支援を受けることが,スピリチュアルケアと..
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認知症のあるがん患者の緩和ケア
終末期がん患者で認知症を合併している場合の療養場所の選択―意思決定支援と使用可能な社会資源https://www.seikaisha.blue/articles/article2768/
疼痛コントロールなどは,認知症による物忘れや妄想による服薬拒否などで,痛みの把握や服薬管理など,スムーズにいかないことも多い。症状コントロール不良による不快感から,BPSD(behavioraland psychological symptoms of dementia:行動・..
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悪性消化管閉塞にどう対応する?どうケアする?
悪性消化管閉塞に対する薬物療法のコントラバーシー 悪性消化管閉塞による腹痛に対するオピオイド鎮痛薬の選択https://www.seikaisha.blue/articles/article2930/
オピオイド鎮痛薬は,悪性消化管閉塞に伴う疼痛治療で,重要な役割を担っている1)。しかしながら,オピオイド鎮痛薬の種類別に鎮痛効果を比較検討した報告はない。 EAPCの推奨では,一般的にはモルヒネが最もよく用いられるとの記載はあるが,他のオピオイドとの優劣は論じられていない1)..
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FAST FACT〈6〉
ミオクローヌスhttps://www.seikaisha.blue/articles/article3227/
ミオクローヌスは,「急速に起こり,繰り返す,電撃的な不随意運動」のことである。持続性のミオクローヌスの頻度は,10万人あたり6~8人と報告されており,頻度は高くない。一方,薬剤性などの一時的な原因によるものを含めると,比較的頻度の高い症状である。 ミオクローヌスは,睡眠の妨げ,痛..
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すっきりしない症状への対応─どこまでやれば「合格」か?
特集にあたってhttps://www.seikaisha.blue/articles/article3159/
痛みや呼吸困難,悪心のような代表的な症状には,ガイドラインがあり,おおむね行うべき治療が決まっている。臨床家は,悩みながらも,「まぁ,これくらいやればだいたいは“合格”だろう」という線をイメージすることができる。 今回の特集では,ガイドラインなどはっきりした記述のない症状や,遭遇..
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すっきりしない症状への対応─どこまでやれば「合格」か?
腕神経叢浸潤による神経障害性疼痛https://www.seikaisha.blue/articles/article3172/
がん患者に生じる神経障害性疼痛の原因としては,①がんそのものによる(脊髄圧迫症候群や悪性腸腰筋症候群,腕神経叢浸潤に伴うものなど),②がん治療による(化学療法,乳房切除後疼痛・開胸術後疼痛,放射線療法後など),③がんやがん治療と直接関係のないもの(帯状疱疹後神経痛,糖尿病性神経障..
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すっきりしない症状への対応─どこまでやれば「合格」か?
発汗・多汗https://www.seikaisha.blue/articles/article3186/
がん患者の発汗は,高度な場合睡眠の妨げとなることもある。痛みや呼吸困難など,ほかの苦痛緩和のために日々奔走する中で,われわれは,発汗による苦痛を患者に我慢させてしまってはいないだろうか? 本稿では,おもに,がん患者における発汗・多汗に対する薬物療法と看護ケアについて解説する。
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すっきりしない症状への対応─どこまでやれば「合格」か?
頭頸部がん患者の痛み・頸部圧迫感・顔面の浮腫https://www.seikaisha.blue/articles/article3161/
薬物を用いた痛みの症状緩和は,WHO 方式がん疼痛治療法に沿い治療を行う。痛みの強さに応じて鎮痛薬を使用し,強い痛みにはオピオイドを選択する。オピオイドを開始する際には,悪心や便秘などの有害事象の予防を行う。神経障害性疼痛など,鎮痛薬で症状緩和が困難な場合は,鎮痛補助薬の使用を検..
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落としてはいけないKey Article
ステロイドは痛みに効くか?─食欲とだるさはよくなるが痛みは変わらずhttps://www.seikaisha.blue/articles/article3201/
【今月のKey Article】 Paulsen O, Klepstad P, Rosland JH, Aass N, Albert E, Fayers P, Kaasa S:Efficacy of methylprednisolone on pain, fatigue, and..
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仕事人の楽屋裏
松原康美https://www.seikaisha.blue/articles/article4017/
ストーマ周囲の皮膚障害で痛みと便もれに苦しむ患者さんを前に,何もしてあげられなかった体験から,知識と技術を身につけたいと思い,皮膚・排泄ケア認定看護師になりました。当初は誰が見てもわかる創傷やストーマのトラブルが改善することに,とてもやりがいを感じていました。それから10数年後の..
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緩和ケア口伝ー現場で広がるコツと御法度
イフェンプロジルの効果と限界https://www.seikaisha.blue/articles/article3936/
● 眠気を避けたい,車の運転をしたい患者での鎮痛補助薬として。 ● ケタミン中止後,痛みが再燃する場合に。 ● 投与後の効果が明確なら継続,不明確な場合は中止,痛みが再燃するなら再開。
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医療用麻薬
https://www.seikaisha.blue/articles/article4145/
わが国における医療用麻薬の消費量は先進諸国の中で最も少なく,がん疼痛管理が適切に行われていない可能性が問題となっている。原因として,日本人はアヘン戦争や覚せい剤乱用などの歴史から,麻薬恐怖症(opioid phobia)が強く植え付けられていること,さらに戦争中は,「堅忍持久(つ..
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120mgが1つの目安です
https://www.seikaisha.blue/articles/article4151/
目の前の患者さんの痛みに対してオピオイドを処方する時,どのくらいの量が必要なのかは誰にも分からない。だから通常,最低用量から開始し,痛みの取れ具合と,レスキューの使用状況から少しずつ増量を行い,至適用量を決定する。たとえば,オキシコドンなら,5mg 錠を1日2回の10mg/日から..
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最後の瞬間は苦しくなかった
https://www.seikaisha.blue/articles/article4186/
がん・非がんにかかわらず,在宅療養開始時に患者家族は遠からず訪れる死のイメージを明確には描けない,または描いていない場合が多い。これには核家族化,病院死が一般化したことなどのために親族の死を目の当たりにしたことがない,看病の経験がないことが背景にある。仮に,イメージをもっていたと..
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落としてはいけないKey Article
トラマドール/コデインはいらないのではないか?https://www.seikaisha.blue/articles/article3822/
【今月のKey Article】 Bandieri E, Romero M, Ripamonti CI, et al:Randomized Trial of Low-Dose Morphine Versus Weak Opioids in Moderate Cancer Pain..
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いま伝えたいことー先達から若い世代に
ホスピス緩和ケア放言帖https://www.seikaisha.blue/articles/article3724/
阿片:モルヒネの素。世界の歴史,経済,政治などに深く長く関係。かつてアヘン末の使用を推奨する発表があったことを思い出す。 痛み:つらい症状の代表格。他につらい症状は多いが,痛みほどには言及されない。
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口腔粘膜炎の発症機序と,がん治療へ与える影響
https://www.seikaisha.blue/articles/article3630/
口腔粘膜炎は発症頻度の高い副作用であり,がん治療中のつらい症状のひとつである。口腔粘膜炎は痛みにより患者を苦しめるだけでなく,経口摂取量を低下させ低栄養状態や脱水を招いたり,感染の侵入門戸となり全身感染症を起こすなど,QOLの低下を招くのみならず,全身状態に影響を与え,がん治療の..