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〈フロントライン緩和ケア〉緩和ケアで必須なフィジカルアセスメント

〈フロントライン緩和ケア〉緩和ケアで必須なフィジカルアセスメント
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目次

まえがき 森田達也 ⅲ
執筆者一覧 ⅷ

Ⅰ 「その症状」の原因をフィジカルアセスメントではっきりさせる

01 痛い─それがんの痛みなのか,実はがんじゃないのか 川崎成章,石木寛人 002
02 吐き気の評価 ─お腹なのか,頭なのか,代謝が問題なのか 山口 崇 008
03 おなかが張っている─それ腹水なのか,便秘なのか,どんな便秘なのか 結束貴臣,髙橋宏太,石原 洋,大平麻由美 014
ペリスコープ がん性髄膜炎のフィジカルアセスメント 高橋英明 022
ペリスコープ 終末期がん患者の消化管穿孔の症状 森田達也 026
04 息が苦しい─それ非がんなのか,実はがんじゃないのか,不安なのか 住谷 仁,松田能宣 028
05 息が苦しい─薬物療法(オピオイド・コルチコステロイド)の効果が期待できる症状なのか 山口 崇 034
06 発熱─それは感染なのか,腫瘍熱なのか 加藤栄助,小田切拓也 039
07 便秘─ただの便秘なのか,腸閉塞の初期症状なのか 結束貴臣,髙橋宏太,石原 洋,大平麻由美 046
ペリスコープ 便秘を診る時の肛門のフィジカルアセスメント 横道直佑 049
08 食欲不振─がん悪液質なのか,他に治せる原因はあるのか 天野晃滋 053
09 この死前喘鳴,1型?それとも2型? 山口 崇 057
10 浮腫─低栄養(病状進行)でいいのか,他に治せる原因があるのか 鈴木 梢061
11 不安─気持ちの不安でいいのか,身体的な原因もあるのか 松田能宣 067

Ⅱ レスキュー薬が効かない時にフィジカルアセスメントで突破口を見つける

01 呼吸困難でレスキュー薬を反復しても効かない時 松沼 亮 074
02 痛みでレスキュー薬を反復しても効果がない時 佐藤麻美子 079
03 悪心・嘔吐でレスキュー薬を反復しても効果がない時 東端孝博 084
04 便秘でレスキュー薬を反復しても効果がない時 結束貴臣,髙橋宏太,石原 洋,大平麻由美 090
05 せん妄でレスキュー薬を反復しても効果がない時 佐伯吉規 097
06 不眠でレスキュー薬を反復しても効果がない時 谷向 仁 106
07 不安・焦燥でレスキュー薬を反復しても効果がない時 船橋英樹 112

Ⅲ フィジカルアセスメントの役立つ場面

01 亡くなる時期 ─そろそろなのか,まだ大丈夫なのか 森 雅紀 120
02 夜間の急変の徴候に気づくためのフィジカルアセスメント浅野あさみ127
03 患者の安楽を知るためのフィジカルアセスメント 高野純子 132
ペリスコープ「眉間のしわは,苦しいのか」問題 森田達也 138
04 排尿の看護に活きるフィジカルアセスメント 久山幸恵 142
05 薬剤師が見逃してはいけない有害事象を見つけるフィジカルアセスメント 149 岡本禎晃
06 苦痛の評価がしにくい時に苦しいのかを判断する 今井堅吾 156

Ⅳ 事例で振り返るフィジカルアセスメント

01 身体診察にまつわる実症例 大屋清文 166
02 フィジカルアセスメントが役立った緩和ケアの事例 矢部正浩,野本優二169

緩和ケアの行き詰まる状況をなんとかしたい:緩和ケア 2025年6月増刊号
200150

目次

序文 ⅲ

第Ⅰ章 身体症状で "行き詰まる" 時

Ⅰ-1 疼痛をなんとかする
1 がん患者が「本当に痛いのか」迷う時 佐藤麻美子 002
2 手術適応のない骨折の鎮痛 櫻井宏樹 008
3 非がん患者の疼痛でオピオイド鎮痛薬レスキュー薬が欲しいと言われた時の鎮痛 笠原庸子 014
4 薬物依存や不適切使用の既往のある患者への緩和ケアにおける対応 岡本禎晃 019
5 深部に至った褥瘡の痛みのマネジメント 松原康美 024

Ⅰ-2 呼吸器症状をなんとかする
1 中枢気道内に腫瘍浸潤している患者での難治性咳嗽への一手 木村尚子 029
2 難治性呼吸困難の向き合い方─エビデンスと包括的マネジメント 萩本 聡,松田能宣 035
3 非がん性呼吸器疾患患者の治療抵抗性呼吸困難に至るまでの耐えがたい呼吸困難へのアプローチ 竹川幸恵 041

Ⅰ-3 消化器症状をなんとかする
1 副腎皮質ステロイド・消化管機能改善薬など手を尽くしても食欲が改善しない時のアプローチ 天野晃滋 047
2 胃全摘術患者や食道がん患者の上部消化管閉塞で貯まるスペースがない時のえずき 坂口達馬 053
3 環境整備やドレーンの排液を工夫しても消化器臭が気になる時のアプローチ 伊藤奈央 060
4 下剤をいろいろ試しても「下痢と便秘の繰り返し」になる便秘 中條庸子 066

Ⅰ-4 せん妄をなんとかする
ミダゾラムで鎮静できない過活動型せん妄にどう対処するか-現状を再検討し,次の一手を考える 谷向 仁 073

Ⅰ-5 神経症状・皮膚症状をなんとかする
1 薬剤性パーキンソニズムや悪性症候群への対応 宮部貴識 080
2 下肢浮腫のために日常生活活動が制限されている進行がん患者へのリハビリテーション 立松典篤 086
3 陰部(陰嚢・外陰部)浮腫に対するケア 前澤美代子 091

Ⅰ-6 その他の身体症状をなんとかする
難治性の掻痒感のある患者への非薬物的介入 毛利明子 096

第Ⅱ章 精神的ケアで "行き詰まる" 時

Ⅱ-1 難しいコミュニケーションをなんとかする
1 患者と医療者で予後の認識が大きく乖離している場合のコミュニケーション 平塚裕介 102
2 脳疾患患者の暴言・暴力・ハラスメントへの対応 山内悦子 108
3 薬の内服・投薬などの治療を拒否する人への対応 壁谷めぐみ 113
4 鎮静薬のせいで死んだのではないかと問い詰める家族 矢野琢也 118
5「自分たちでなんとかする」と支援を拒む患者家族への対応 五十嵐友里 123
6 医療者を代えてほしいと訴える患者への対応―治療関係の維持と実践課題 市倉加奈子 129
7 食・栄養に対する極端なこだわりへの対応─糖質制限,動物性たんぱく質制限,野菜中心 腰本さおり 134

Ⅱ-2 グリーフケアをなんとかする
1 若くして妻をがんで亡くした夫とその子どもへの関わり方 中西健二 140
2 家族をがんで亡くした後,何度も病院を訪れる遺族と,まったく訪れなくなる遺族への関わり方 石田真弓 145

第Ⅲ章 意思決定支援で "行き詰まる" 時

1 未成年の子どもをもつがん患者から「子どもにどのように伝えたらいいのかわからない」と相談されたら 赤川祐子 152
2 「Make a Wish」を勧めるタイミング 津村明美 158
3 余命が短い患者の不確かさを軽減し,希望を見出す 中野貴美子 163

第Ⅳ章 患者を取りまく事情で "行き詰まる" 時

Ⅳ-1 家族との狭間の状況をなんとかする
1 鎮静の開始を希望する患者と,開始しないでほしい家族 阿部晃子/日下部明彦/佐伯玲菜 170
2 患者の意向に関係なく未告知を希望する家族とのコミュニケーション 竹下隼人/石上雄一郎 176
3 医師と看護師の間で言うことや態度が異なる患者 髙橋紀子 181

Ⅳ-2 倫理の狭間の状況をなんとかする
1 患者や家族が民間療法や代替治療をどうしてもと希望したら 西村瑠美/石木寛人 186
2 患者は吸痰を希望するが,苦しそうなのでと,家族が吸痰をしないでほしいと言う場合 佐々木理衣 191

Ⅳ-3 社会との狭間の状況をなんとかする
1 矯正医療施設(医療刑務所)における緩和ケア(文献考察)─刑務所の現場で問う“人間らしさ”  大谷弘行 196
2 重症心身障害を抱える人への緩和ケア 河俣あゆみ 201
3 セクハラへの対応と予防─組織的対応と目標志向型の看護実践 細川 舞 207
4 家族力を期待できない患者の退院支援を困難にさせている正体とは─問題と課題を区別した捉え方とアプローチ 宗好祐子 213
5 "LGBTQ+"に対して知っておくべきこと 厚坊浩史 218

一歩先のがん患者の作業療法 NOVA 2025年 22巻2号
300115

一歩先のがん患者の作業療法

序文 池知良昭/石橋 裕/田尻寿子 003

第1章 臨床家のための,一歩先を行くがん患者への作業療法実践
1. NBM(Narrative Based Medicine)に基づく生活支援 縄手雪恵 010
2. EBM/EBPに基づく生活支援と,NBMとの統合,クロッシングアプローチ 田尻寿子 015
3. クロッシングアプローチによる事例 窪 優子 021
4. がん治療期の生活支援 櫻井卓郎 025
5. 維持期の生活支援 阿瀬寛幸 031
6. 作業療法におけるルックスケア 石橋仁美 037
7. Exercise Oncologyの視点を活かした作業療法 鈴木克喜 042
8. 就学支援 窪 優子 047
9. がん患者の両立支援のための社会制度と多職種連携 杉山亮輔 052
10.医療機関における脳腫瘍患者への就労支援 梅﨑成子 057
11.緩和ケアを主体とした時期における作業療法 池知良昭 062
12.在宅での緩和ケアを主体とした時期における作業療法とその課題 土屋晶子/田尻寿子 066
13.スピリチュアルケアとしての作業療法 田尻寿子 071
14.作業療法士が知っておきたい死生学 池知良昭 078
15.作業療法士が知っておきたい小児・AYA世代のグリーフケア 窪 優子 081
16.作業療法士が知っておきたい悲嘆(グリーフ)とグリーフケア 臂 美穂 084

第2章 臨床家のための,一歩先を行く作業療法研究
1. がん領域におけるエビデンスと「研究の背景」の伝え方 華井明子 092
2. がん作業療法研究の目的および意義,研究方法を明らかにする 石橋 裕 097
3. インフォームド・コンセント,インフォームド・アセント 田畑阿美 102
4. がん作業療法における代表的な研究デザイン(1)─記述的研究・横断研究・縦断研究から 川端敦史 108
5. がん作業療法における代表的な研究デザイン(2)─介入研究と文献研究 那須識徳 114
6. 臨床家が研究をはじめるにあたり,知っておくべきこと 久村悠祐/田平隆行 119
7. [トピック1]化学療法実施中の悪性リンパ腫患者における認知機能と身体・精神機能との関連 山口良太 122
8. [トピック2]がん性疼痛における日内律動性 杉野達也 125
9. [トピック3]周術期高齢がん患者における術後せん妄発症が心身機能の改善に与える影響 久村悠祐/田平隆行 127
10.[トピック4]日本語版がんコーピング質問票(Cancer Coping Questionnaire;CCQ)の作成 横田浩輝 131
11.[トピック5]ルックスケア評価表の作成 川原宇央 135
12.[トピック6]復学後の小児脳腫瘍患児の認知機能,生活の質および適応行動に関する調査研究 田畑阿美 139

第3章 臨床家が一歩先を行くための,後輩育成や自己研鑽
1. がん分野の作業療法教育 ─学部生,大学院生に対するがん作業療法教育の実際 そして卒業後の生涯学習 山田優樹/池知良昭/田尻寿子 144
2. 死への準備教育から学んだこと 目良幸子 150
3. 死生観を育むための死への準備教育の実践 野尻明子 155

次号予告 160